史上初!原油価格がマイナス値
原油価格がマイナスってどういうこと?
2020/04/20に史上初の原油価格がマイナスとなり、市場は混乱に陥った。マイナス価格とはどういうことかというと、
今までは原油を「100円で売ってやるよ!」と言ってた人が、急に「100円あげるからもらってください!」と言い出した
ということです。
なぜマイナスに?
原油価格がマイナスになった理由は大きく分けて2つありあます。
- コロナウイルスの影響
- OPEC協議でロシアが減産に反対
・経済的大問題になっているコロナウイルスでは、感染を抑えるために外出を自粛しなければならなくなりました。
そうすると、飛行機が飛ばなくなるし、車は使わなくなるし、会社の製造までも停止してしまう事態となり、原油を使う場所がなくなったことが一つの原因です。
・もう一つの原因は、OPEC( 石油輸出国機構 )と非OPECいう組織とが会議で原油をどのくらい生産するかを決める場があります。そこで、今年は減産しようとOPECで決定しようとしていましたが、非OPECであるロシアが反対し、増産をすると言い出しました。
それに激怒したサウジアラビアも増産を決断したという子供の喧嘩のような背景がありました。
今年は原油少なめにしようぜ!
賛成!
待て待てーい!
俺は反対だ!今年は増産するぜ!
何言ってんだこいつ?
あー腹立つからうちも増産してやるぜ!
この予想外のやり取りのせいで、使いきれないほどの原油が増産されて、原油価格のマイナスということに陥ってしまいました。
では、なぜロシアにこんなに発言権があるのでしょうか?
意外と知られていないのですが、産油国の上位国はこのようになっています。
<2018年> | ||
---|---|---|
順位 | 国名 | 単位:千トン |
1 | 米国 | 669,374 |
2 | サウジアラビア | 578,336 |
3 | ロシア | 563,339 |
4 | カナダ | 255,482 |
5 | イラク | 226,147 |
6 | イラン | 220,373 |
7 | 中国 | 189,106 |
8 | アラブ首長国連邦 | 177,696 |
9 | クウェート | 146,847 |
10 | ブラジル | 140,348 |
石油は中東が多いと思っていた人が多いと思いますが、意外にもアメリカ、ロシア、カナダが上位を占めており、その結果、ロシアには強力な発言権が与えられていました。
増産反対の理由
ロシアが反対した理由もいくつか取り上げられていますが、最も有力な理由はアメリカのシェール企業を潰すためと考えられています。
アメリカとロシアは未だに犬猿の仲なので、アメリカの不幸をロシアは喜ぶのです。
ちなみにシェール企業というと、日本でも馴染みがある貝のマークがある企業です。
生活への影響は?
実際に生活にはどのような影響があるのでしょうか?
原油と聞くとガソリンに影響してくるはず!とお考えの人も多いと思います。その考えは半分正解です。
「原油がマイナスならガソリンもマイナスじゃん?」と思われますが、そもそも原油とガソリンは何が違うのかはご存じでしょうか?
それは、
原油を精製したものが石油やガソリン、灯油などになり、生活に使われるものに変化していきます。
そのため、生成するコストがかかる上に日本のガソリンは税金がかなりかかっています。
ガソリンは不思議なことに2重課税されており、消費税とガソリン税というものがかかっています。現在は消費税を除いた価格の約6割がガソリン税と言われています。
そのため、日本では原油が安くなったと言ってもあまりガソリンには影響してこないのが現実なのです。
株価為替の状況 2020/04/28 19:00
始値 | 終値 | 始値 | 終値 | ||
日経平均 | 19,783.22 | 19,771.19 | 円/ドル | 107.28 | 106.68 |
NYダウ | 23,775.27 | 23,866.15 | 円/ユーロ | 116.18 | 115.87 |
S&P 500 | 2,854.65 | 2,878.48 | WTI | 12.93 | 12.07 |
為替下落要因
本日19:00時点で円/ドル為替が0.6円円高になっています。
先日に引き続いて、やはり原油の落ちが激しいことが原因だと考えられます。また、株価の上昇により、リスク選好によるドル売りが強まったことも原因の1つと推測されます。
ワンポイントレッスン!
為替の変動する理由は?
ドル円相場では1円円高になるとトヨタの売上が1兆円下がるともいわれるくらい為替の影響は企業にとっては大きなものです。
そこで、為替の変動する理由をご存じでしょうか?
・1つは物価の変動による要因です。
手元に100円の貯金があるとします。過剰なインフレによって100円の商品が200円に値段が上がると、もともとあった100円では商品が購入できなくなってしまいます。これを、お金の価値の目減りと言います。
同じように、例えばアメリカでは日本とは逆に物価が下がっていくとドルの価値が上がっていきますよね?
つまり、物価が上がることで、日本のお金の価値は下がり、アメリカでは物価が下がっているのでお金の価値が上がっているため、円安/ドル高という現象が起こっているのです。
これが為替の仕組みの1例です。
過剰なインフレについては前回のページをどうぞ!
市場の動向
日経平均が前日500円以上の値上がりに対して、本日は約10円安という結果になりました。戻り待ちによる下落があると考えられていましたが、小幅安という影響の背景には、GWが近いこともあり、様子見のムードが強かったと考えられます。
東証一部では値上がり銘柄は1330、値下がり銘柄は757、変化なし銘柄は83だったことから、今後の市場への期待感は強いとみられます。
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